貴方は他の 3 人と別れ、一番最初に目が覚めた場所

「ハジマリノヘヤ」に戻ってきました。

 

周囲を見渡すが、やはり変わったところは特にありません。

 

何か手がかりを見つけないと…。

 

そう思いながらも貴方は鏡に映る自分が気になってしまいます。

 

「こんな時ですら美しいなんて、僕は罪な人間だな」

 

まるで吸い寄せられていくように

貴方は鏡に向かって歩き出します。

 

鏡に映る自分に見惚れ、手を伸ばします。

鏡の自分の頬を撫でると貴方は違和感に気がつきました。

 

最初の探索時には気がつきませんでしたが

鏡を触ってみると、少しぐらぐらと揺れます。

 

貴方は思いきって強く押してみることにしました。

 

すると、鏡はまるで回転ドアのように回り

貴方は壁の裏側の空間に出ました。

 

そこは狭い空間で、ほとんど灯りがなく、とても真っ暗です。

ルテなら泣いてしまいそうだなと思いつつ

なんとか目をこらしてみると、正面に扉が見えます。

 

扉にはこう書かれています。

 

​

​

​

​

​

​

​

​

​

​

 

 

 

 

 

 

 

 

​

​

​

​

「おめでとうございます。ここは正規脱出ゲートです。

 

しかし、1 人しか入ることができません。

 

貴方はここから脱出することが可能です。

 

残念ながら脱出できなかった方々については

 

私が責任を持って対応させていただきます。

 

見て頂いたとおり、この施設は最低限ではありますが

 

生活に必要なものは揃えられております。

 

食糧や物資は定期的に補充されます。

 

脱出後、ゲートは自動的に閉じられ、使用できなくなります。

 

また脱出せずこの場を去った場合、以降貴方はこのゲートを使用できません。」

 

 

 

 

​

​

​

​

 

貴方は葛藤します。

 

目の前には探し求めていた脱出ゲートがあり

そして見つけた貴方が選ばれました。

自分には大きな夢があり

それを叶えるために必死で努力をしてきました。

 

貴方には才能があり、大いなる未来があります。

ここで脱出を逃せば、次のチャンスはいつになるかわかりません。

そんなチャンスは 2 度と訪れないかもしれません。

妹に会うことも出来ないでしょう。

 

しかし、1 人だけが脱出を成功させていいのだろうか。

いくら生活に困らないとは言え 彼らにだって人生はある。

 

貴方はそんな複雑な感情を天秤にかけます。

 

彼らとともに全ての努力と才能を泡にするのか。

叶えるべき夢のため、孤独の道を進むのか。

​