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ア・モデラート・リストリクト
リビング・ルーム
エトが扉を開くとそこにはとても広い部屋があった。
大きさはこれまでの部屋を全てまとめたくらいだろうか。
入ってすぐ左にはカウンターテーブルがあり
イスが 4 脚、設置されている。
エト「なんだここは…」
右手には 2 段ベッドが 2 つ並んでいて
その横には食卓テーブルを挟むように 2 人がけのソファが置いてある。
ルテ「なにここやばくない!?キッチン超広いよ!」
カウンターテーブルの奥に見える広いキッチンに
ルテが思わず声をあげはしゃぐ。
キッチンには冷蔵庫、電子レンジ、オーブン、調理器具に食器棚など、
調理に必要な様々なものが完備され、
シンクには水が正常に流れることも確認出来た。
トリ「おい、風呂まであんぞ!」
入ってきた扉の反対側の壁には扉があり、
その先は洗面所、トイレ、バスルームになっている。
もちろん水も湯も出るようだ。
シャンプーやリンスなどが床下収納に大量にストックされている。
ルテ「待ってアタシわけわかんなくなってきた。
アタシら閉じ込められてんだよね?」
ユニ「こっちにもなにか扉?があるみたいだよ」
ユニの言葉に 3 人が確認すると
キッチンの裏には倉庫があり、
中には大量の食糧や飲料、白米や食物の種が備えられている。
その数はざっとみる限りでも異常で、
シゼンノヘヤの土で野菜が栽培可能であれば
半永久的に生き永らえることが可能にすら思える。
エト「まるでリビングじゃないか…」
エトが呟く。
そこはまさにリビング・ルーム。
質素でも貧乏でもなく、多数の人間が羨ましがるような部屋だった。
(これじゃ閉じ込められているというより
みんなで仲良くここで暮らしてくれって言ってるみたいだ)
3 人はそんなことをそれぞれの心の中で思った。
ユニが不安そうに話し始める。
ユニ「ねえ、何が起こっているの?この部屋は、今までの部屋と違うの?」
トリ「何もかもがちげえよ。
変なしかけも謎も置いてないし、俺も混乱してて」
エトは現時点でわかっているこの部屋の状況をユニに伝えた。
ユニ「出口は?次の部屋に行く扉もないの?」
ユニの言葉に 3 人は現実へ引き戻される。
そうだ。出口。自分たちはここから脱出するために
謎を解いてきたんじゃないか。
周囲をもう一度よく観察してみるが
この部屋にある扉は、アソビノヘヤからの扉、
バスルームへの扉、倉庫への扉しかなく
それ以外にどこかへ通じてそうな扉は見つからない。
隠し扉のようなものがどこかにあるのかもしれないが
今までとは全く異なったこの異様なリビング・ルームに
4 人は「ここが最終地点だ」という仮説を立てた。
ルテ「でもこっからどーすんの? 目の前の謎すらなくなっちゃったし」
トリ「あんだけ謎解いてきてたどり着いた先が リビングって…
どんな反応すりゃいいんだよ」
2 人は不安そうに話し、またユニも黙り込んでいる。
エト「今までの部屋をもう一度探索してみないか?」
エトがひらめいたように話す。
ルテ「今までの部屋って、もう謎解いてきたんじゃん?」
トリ「いや、周回プレイは重要だ」
エト「決まりだな。僕はハジマリノヘヤを探索しに行こう」
ルテ「え、一人ずつ行くの?じゃあアタシ、シゼンノヘヤがいい~」
トリ「楽そうで選んだだろ、お前。じゃ俺がアソビノヘヤだな」
エトがユニの方へ振り向き優しく問いかける。
エト「ユニは誰についていきたい?ユニが決めて良いぞ」
ユニは少し悩んだ後、申し訳なさそうに答えた。
ユニ「あの、ごめんなさい。きっと私がついていくと
探索の邪魔になっちゃうから…。
私はここにいるよ。できる限り探索はしてみるけど」
ルテ「そう…?気にしなくていいのに。
でも疲れてるだろうし、この際ユニはソファにでも座って休んでなよ」
トリ「あ、それもそうだな。その方がいい」
エト「よし、じゃあユニには休憩を任せた!」
ユニはふがいなさを感じつつも 3 人の優しさに感謝し微笑んだ
*
ここからは 1 人ずつ担当の部屋を探索してもらいます。
エト、トリ、ルテの 3 人は感覚的にはなりますが
大体の時間を決めて、リビング・ルームに戻ってくる約束をしました。
※ここから個人探索に入ります。全員ミュートにしてください。
※GMの指示があるまで押さないでください
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