小さい頃から小さかった。

男の子は成長が遅いからと言われ続けて 18 年。

俺の成長はいつくるんだよ！

小さい事より腹が立つのは

とにかく舐められることだ。

俺がどんなに睨もうとも

まるで小型犬をあやすような扱いを受ける。

 

劣等感を抱き続けて育った俺は

とにかく負けず嫌いになった。

誰だって負ける事は嫌いだろって思うけど

なんか俺は異常らしい。

そりゃそうだ。

俺に負けるわけがねえって思ってる

馬鹿な奴らに勝った時ほど

すがすがしい時はねえ！

 

俺は小学生の頃からバスケをはじめた。

だって小さい奴がでけえ奴にバスケで勝てたら

超かっこいいだろ？

腐らずに努力し続けたおかげで

高校生になった今では将来有望のプライヤーだ。

今まで馬鹿にしてきた奴らを

全員見返してやれるんだと思うと

過酷な練習も苦じゃなかった。

 

なにより幼馴染の存在は大きかった。

生まれつき盲目っていう大きいハンデを背負ってるユニが

一生懸命に生きているのを見ると

俺は目が見えるくせになんてへぼいんだ！って

 

エトはナルシストでうぜえけど

実際すげえからなんも言えねえし。

 

ルテは…

 

まああいつは馬鹿だけどやるときはやるから（笑）

あいつの面倒見の良さに助けられることもあるし。

 

高校最後の大会が迫ってきて

俺は持ち前の負けず嫌いをこれでもかってくらい外に出して

チームの中で一番小さい俺が

絶対優勝させてやるんだ！って

最近はいつも以上に練習に全力を注いでたわけだ。

 

 

そんな矢先、事件は起きた。

 

 

は？

閉じ込められた？

 

しかもこんな意味のわかんねえ

謎だらけの部屋に！？

ふざけんな！

どれだけ俺を舐めれば気が済むんだ。

絶対に許さねえ。

こっちは大会に向けてほんの少しの時間も惜しいってのに！

こんなところで負けるわけにはいない。

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​絶対脱出してやる！